はじめに｜家具家電付き賃貸、やめとけって本当？その理由を解説
家具家電付きの賃貸は、荷物が少なくて済む、初期の費用が抑えられるなど、便利さを売りにしています。しかし、実際には「やめとけ」という意見も多く、慎重に検討する必要がある選択肢です。
なぜ多くの人が「便利」と感じる一方で、「やめとけ」と言われるのでしょうか？そこにはデメリットや負担、退去時のトラブル、故障時の問題など、表面上では見えにくいリスクが隠れています。
この記事では、家具家電付き賃貸を選ぶ前に知っておきたいリアルな情報をまとめました。一人暮らしや短期間の入居を検討している人にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
家具家電付き賃貸が注目される背景
現在、都市部を中心に必要最低限の家具家電が備え付けられた賃貸が増えています。
理由としては、転勤や就職、進学などで急な引っ越しが必要な人が多く、そうした人々にとって、家具や家電を購入する手間や初期費用を省けるのは非常に大きな魅力です。また、短期間の滞在を前提にした「マンスリー」や「ウィークリー」などの物件でも、家具家電付きがスタンダードになりつつあります。
さらに、外国人労働者や留学生向けの賃貸市場でも需要が高く、母国に戻る際に家具や家電を処分する必要がない点も評価されています。
「やめとけ」と言われる意外な理由
一見便利に思える家具家電付きの賃貸ですが、「やめとけ」と言われる大きな理由の一つは、家賃が通常より高く設定されるケースが多いことです。
また、故障や壊れたりした場合の修理・交換に関する負担や、退去時の追加費用の請求など、予期せぬトラブルが発生しやすいという声もあります。
さらに、自由に家具や家電を選べないことで、自分のこだわりやライフスタイルを反映できないというデメリットも無視できません。
家具家電付き賃貸とは？基本情報と特徴
家具家電付き賃貸は、文字通り家具や家電が最初から備え付けられている便利な物件です。しかし、どんな設備が含まれるのか、家賃にどう影響するのかなど、知らないと後悔する情報も多いのが現実です。ここでは、その基本的な内容と特徴を詳しく説明します。
家具・家電付き物件の定義と設備内容
家具家電付きの賃貸は、最初から一定の家具や家電が備え付けられている物件のことを指します。代表的な設備には以下のようなものがあります。
- ベッド（シングルやセミダブルが多い）
- 冷蔵庫（一人暮らし向けの小型が中心）
- 洗濯機（ドラム式や縦型）
- 電子レンジ、電気ケトル
- テレビ（小型のモデルが多い）
- 照明器具
- テーブル、椅子、カーテン
これらが無料で使えると見られがちですが、実際には家賃に費用が上乗せされているのが一般的です。
費用や家賃に含まれる「家具・家電」の実際の価値
「無料」というイメージを持ちやすいですが、家具家電付きの賃貸では、ほとんどの場合家賃が相場より高く設定されています。
例えば、近隣の通常の賃貸が月8万円であっても、家具家電付きだと10万円になるケースも珍しくありません。これにより、1年住むと差額が24万円以上になる可能性があります。
また、家具や家電自体が中古品であるケースもあり、実際の価値はそれほど高くないこともあります。古い冷蔵庫や洗濯機は消費電力が多いなどのデメリットもあるため、長期的な生活コストが高くなることも考えられます。
メリット｜家具家電付き賃貸を選ぶ理由とおすすめの人
「家具家電付き賃貸にはどんなメリットがあるの？」と気になる人に向けて、実際に選ばれている理由や、どんな人に向いているかを紹介します。初期費用を抑えたい人や、短期の入居を考えている人には必見の内容です。
初期費用を大きく抑えられる
通常、家具や家電を一から揃えるとなると、ベッドや冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、カーテンや照明など、揃えるだけで初期費用として20万円〜50万円ほど必要になるケースが多いです。
特に、新社会人や進学で初めての一人暮らしを始める学生は、引っ越しにかかる費用だけでも負担が大きいのに、さらに家具家電を購入するとなると、経済的に大きなハードルとなります。
一方、家具家電付き賃貸なら、これらの家具や家電がすでに備え付けられているので、新たに購入する必要がありません。初期投資として必要なのは、敷金・礼金・引っ越しの基本的な費用のみで済む場合がほとんどです。
そのため、「なるべく初期費用を抑えたい」という人には大きなメリットがあります。特に、急な転勤や短期の赴任などで「とにかくすぐに暮らしを始めたい」という状況にはぴったりです。
面倒な準備や設置が不要
家具や家電を自分で揃える場合、購入するお店の選定、注文、配送、設置、組み立て、動作確認…と想像以上に多くのステップが必要になります。
特に冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、搬入経路の確認や設置作業、さらには初期設定が必要になるため、一日がかりの作業になることも珍しくありません。
一方で、家具家電付き賃貸の場合は、すでに家具や家電が部屋に配置され、すぐに使える状態になっています。例えば、入居初日から電子レンジで温かいご飯を用意したり、長旅の後にすぐ洗濯機を回すことができるので、引っ越し後の疲労感もかなり軽減されます。
また、組み立てが必要な家具（ベッドや収納棚など）もすでに設置済みなので、特に女性の一人暮らしや、家具の組み立てが苦手な人にとっては大きな安心感があります。
デメリット｜「やめとけ」と言われる理由と実際のトラブル事例
便利そうに見える一方で、「やめとけ」と言われるには理由があります。この章では、家具家電付き賃貸のデメリットや、実際に起きたトラブル事例を具体的に紹介します。選ぶ前に必ず知っておきたいリアルな情報です。
自分のこだわりを反映できない
インテリアにこだわりのある人や「好きなテイストに部屋をまとめたい」という人にとって、家具家電付き賃貸は大きな制約になります。
例えば、「ナチュラルテイストの木製の家具に囲まれたい」「モノトーンで統一したい」と思っていても、既に備え付けの家具家電があるため、自分で自由に選ぶことができません。
さらに、レイアウトを変えようとしても、大型家具が重く移動できなかったり、配置が決まっていて動かせなかったりするケースもあります。
実際に「小さいテレビで映画が楽しめない」「ダイニングテーブルの高さが合わず使いにくい」といった不満の声も多く聞かれます。このように、自分の理想の暮らしを実現したい人にとっては、自由度の低さがストレスになる可能性が高いです。
故障時の対応・修理負担が大きい
家具家電付き賃貸でよく問題になるのが、入居後の家電の故障です。
例えば、夏の猛暑日に冷蔵庫が急に止まったり、洗濯機が途中で動かなくなったりすると、日常生活に大きな支障をきたします。
通常はオーナーや管理会社が修理や交換を手配してくれることが多いですが、契約内容によっては「軽微な修理は入居者負担」とされている場合があります。
実際に、電子レンジの加熱機能の不具合で数万円の修理費用を請求されたり、テレビのリモコンが故障して弁償を求められた事例もあります。
また、修理対応には時間がかかることも多く、「すぐに使いたいのに、数日間不便な暮らしを強いられた」というストレスもよく挙げられます。このように、修理や交換がスムーズに進まないと、日々の生活に大きな負担がかかる点は見逃せません。
家賃が高くなるケースが多い
家具家電付き賃貸は、通常の賃貸と比べて家賃が高く設定されているケースが多いです。
例えば、一般的なワンルーム賃貸が月7万円の場合、家具家電付きになると月9万円程度になることもあります。仮に月2万円高い家賃で1年間住むと、24万円の追加費用が発生します。この金額があれば新品の冷蔵庫やベッド、洗濯機を一式揃えることも十分に可能です。
「最初の初期費用を抑えたい」という理由で選んだとしても、長期で見るとむしろ負担が大きくなる可能性があります。
特に2年以上住む予定のある人にとっては、月々の家賃負担が総合的に高くついてしまい、「こんなに費用がかかるなら、自分で家具家電を購入すればよかった」と後悔する人もいます。
こうした長期的な視点での費用計算はとても重要です。
退去時のトラブル
退去時のトラブルも、家具家電付き賃貸で多い問題の一つです。
例えば、「テレビに小さな傷がある」「冷蔵庫に凹みがある」「ベッドのフレームが少し欠けている」など、普段の生活で気づかない程度の損耗でも、原状回復費用として数万円請求されるケースがあります。
「最初から使われていた家具家電だから」と油断していると、思わぬ高額請求に驚くことになります。
また、「退去時にオーナーから細かく写真や証拠を出されてトラブルになった」という体験談も少なくありません。これらの費用は事前に予想しづらく、最終的に大きな出費になることがあります。
そのため、契約前に「退去時の条件」や原状回復の範囲、費用負担の詳細についてしっかり確認しておくことが非常に大切です。
賃貸契約前に確認すべきポイント
「後悔しない賃貸選び」をするためには、契約前にチェックすべき項目があります。家賃や設備、故障時の対応、退去条件など、事前に確認しておきたい重要ポイントを詳しく解説します。
物件選びの際の条件と設備のチェックリスト
家具家電付き賃貸を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 家具家電は新品か、中古品か
- 故障時の修理負担は誰が持つのか
- 退去時の費用と原状回復のルール
- 家賃にどの程度費用が含まれているか
- 生活に必要な設備（例えばベッドのサイズ、冷蔵庫の容量）が自分に合っているか
不動産業者に聞くべき重要な質問
以下の質問をすることで、後々のトラブルを避けることができます。
- 「これらの家具家電はどのくらい使われていますか？」
- 「修理や交換の際の対応はどうなりますか？」
- 「退去時に追加費用がかかる場合、どのようなケースがありますか？」
- 「契約の中で特に注意すべき点はありますか？」
家具家電付き物件が向いている人・やめとくべき人
「自分は選んでいいのか、それともやめとけなのか…？」迷う方も多いはずです。この章では、家具家電付き賃貸が向いている人と、やめたほうがいい人の特徴をわかりやすく紹介します。自分のライフスタイルに合うかどうかを見極める参考にしてください。
こんな人におすすめ
家具家電付き賃貸は、すべての人に向いているわけではありません。以下のようなタイプの人には特におすすめです。
- 短期間の入居や、数ヶ月単位の仮住まいを予定している人
- 転勤や急な引っ越しが多く、引っ越しのたびに家具家電を移動・処分するのが面倒な人
- 初期費用をとにかく抑えたい人
- 一人暮らしを始める際に、とにかくすぐに生活をスタートさせたい人
- 家具や家電に強いこだわりがなく、機能性さえあれば問題ない人
こうした人にとって、家具家電付きの賃貸は便利な選択肢となります。特に「住む期間が読めない」「引っ越し後すぐに仕事を始めたい」といったニーズに非常に合っています。
こんな人は「やめとけ」
一方で、以下のようなタイプの人には「やめとけ」と言われることが多いです。
- 長期間住む予定がある人（2年以上の入居予定など）
- インテリアや家具家電に強いこだわりがある人
- お気に入りのブランドやデザインに囲まれて暮らしたい人
- トータルでの費用をなるべく安く済ませたい人
- 退去時の追加費用やトラブルが気になる人
これらに当てはまる人は、自分で家具家電を揃えた方が長期的に見てコストパフォーマンスが良く、ストレスも少なくなります。
クロスハウスの家具家電付きアパートメントという選択肢
家具家電付き賃貸には「家賃が高くなる」「退去時に費用がかかる」といったデメリットがよく指摘されますが、そうした問題を解決する新しい選択肢として注目されているのがクロスハウスの家具家電付きアパートメントです。
クロスハウスのアパートメントは、家具や家電が最初から備え付けられているだけでなく、初期費用と家賃が通常の賃貸相場よりも安く設定されているという大きなメリットがあります。
例えば、一般的な家具家電付き賃貸では家賃が相場より高くなるケースが多いですが、クロスハウスの場合は「できるだけ費用を抑えたい」というニーズに応える形で料金が設定されています。
さらに、初期費用が少なく済むため、「とりあえずすぐに入居して生活を始めたい」という人にとっては大きな魅力です。特に、短期間の滞在予定の人や、初めての一人暮らしを考えている人にはぴったりの選択肢と言えます。
「家具家電付き賃貸に興味はあるけど家賃が心配」という方は、一度クロスハウスの家具家電付きアパートメントをチェックしてみることをおすすめします。初期費用を抑えつつ、すぐに快適な暮らしを始められる、まさに「コスパ重視派」におすすめの物件です。
家具家電を自分で用意した場合のメリット・デメリット
「やっぱり家具家電は自分で揃えたほうがいいの？」と考える方に向けて、自分で用意した場合のメリットとデメリットを比較解説します。費用、手間、自由度など、それぞれの違いを把握して、後悔しない選択をしましょう。
新品を選べる自由と楽しさ
自分で家具や家電を用意する一番の魅力は、やはり「選ぶ楽しさ」です。
ベッドの硬さやデザイン、冷蔵庫の容量や省エネ性能、テレビの大きさ、さらには照明やカーテンまで、全てを自分の理想に合わせられます。
特に最近では、おしゃれで機能的なアイテムが多く販売されており、「自分だけの空間」を作れる喜びは大きなメリットです。
初期費用や手間の負担
ただし、家具家電を自分で揃えるとなると、初めに大きな費用がかかります。
- ベッド：約3〜10万円
- 冷蔵庫：約4〜15万円（容量や性能による）
- 洗濯機：約3〜10万円
- 電子レンジ、掃除機、照明などを含めると、合計で20万円以上かかることも珍しくありません。
さらに、これらを探す時間、購入手続き、配送、設置といった手間も必要です。また、引っ越し時にはこれらを運ぶ負担も生じます。
処分や中古品対応の問題
長期間使うと、買い替えや処分が必要になります。家電リサイクル法により、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの大型家電は処分費用がかかります。
「買うときは楽しいが、捨てるときは大変」というのが現実です。特に頻繁に引っ越しをする人には、この負担は見逃せません。
【まとめ】家具家電付き賃貸は本当に得か？自分に合う選択をしよう
家具家電付き賃貸は「便利」「お得」といったイメージが先行していますが、実際には「やめとけ」と声を上げる人がいる理由がよくわかります。確かに、以下のようなメリットは非常に魅力的です。
- 初期費用が大きく抑えられる
- 家具家電の購入・設置・設定が不要
- すぐに生活をスタートできる
しかし、以下のようなデメリットも無視できません。
- 家賃が通常より高くなるケースが多い
- 故障時の修理や交換のトラブル
- 退去時に思わぬ費用が発生する可能性
- 自分のこだわりを反映できない
つまり、「短期間だけ住む」「とにかくすぐに住みたい」という方にはおすすめですが、「長期で安く済ませたい」「インテリアにこだわりたい」という人にはやめとけ、というのが実際のところです。
自分に合う選択をするために以下のことを確認しておきましょう。
- 契約前には必ず不動産業者に詳細を確認する
- 退去時の条件を把握しておく
- 「どれくらいの期間住む予定なのか」を明確にする
- 家賃に含まれる家具家電の価値を冷静に計算する
これらを事前に整理することで、「思っていたのと違った」「こんなに費用がかかるとは思わなかった」と後悔することを防げます。
